Delphi Programming / Object Pascal
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[掲載 2009年05月24日] [更新 2013年12月14日]　エクセル操作フォームEx
エクセル操作フォームEx   参考コード類
改行を含む文字列の扱い
動作確認等 Windows 7 U64(SP1) + Delphi XE Pro + Excel 2010






メモの内容をセルに代入


エクセルのバージョンによっては、次のコードのように、改行を含む文字列をセルへ代入した場合、正常に表示できないことがあります。行区切り文字が「・」となり、表示不可の文字として表示されてしまうことがあります。
筆者が確認した限りでは、この現象は Excel 2000 以降では発生していません。


図1
TMemo の Text をセルに表示

リスト1
Text プロパティをそのままセルへ代入した場合 
  procedure TplExcelFormEx2.Button1Click(Sender: TObject);
begin
  Memo1.Clear;
  Memo1.Lines.Add('北穂高岳');
  Memo1.Lines.Add('槍ヶ岳');
  Memo1.Lines.Add('谷川岳');

  xlfCellValue['B2'] := Memo1.Text;
end;


この現象は、次のように AdjustLineBreaks 関数を使用することで回避できます。
改行文字を含む文字列ではなく、個々の文字列を結合する際に改行文字を使用するには、sLineBreak が使用できます。sLineBreak の値は、Windows の場合 CR/LF (#13#10) です。


図2
正常に表示される

リスト2
AdjustLineBreaks 関数を使用する		 
procedure TplExcelFormEx1.Button2Click(Sender: TObject);
begin
  Memo1.Clear;
  Memo1.Lines.Add('北穂高岳');
  Memo1.Lines.Add('槍ヶ岳');
  Memo1.Lines.Add('谷川岳');

  xlfCellValue['B2'] := AdjustLineBreaks(Memo1.Text, tlbsLF);
end;



セルの内容を文字列やメモに代入


逆にエクセルのセルの内容を String 型の変数や TMemoコンポーネントの Text プロパティにに代入する時には、次のように、改行文字を AdjustLineBreaks 関数で処理できます。
この処理を行わないと、エクセルのバージョンによっては、文字列の最後に「・」が表示されてしまうことがあります また、空白行の改行が無視されることがあります。


リスト3
AdjustLineBreaks 関数で行区切り文字を CR/LF にする 
procedure TplExcelFormEx1.Button3Click(Sender: TObject);
begin
  //クリアして文字列をセット
  Memo1.Clear;
  Memo1.Text := AdjustLineBreaks(xlfCellValue['B2']);
end;